2018/10/03 07:44


おはようございます!!

一気に涼しくなりましたね。朝夕は少し肌寒いくらいです。
風邪などひかないよう気を付けてお過ごしください。

では、前回に引き続き『となりの石けん』の石鹸素地についてのご説明です。
今回は、固形石鹸を作るのに使用する苛性ソーダについてです。

みなさん、苛性ソーダってご存知ですか?一度は耳にしたことはあると思いますが、こちらの薬品は固形石鹸作りでは石鹸を固形化するために欠かせない薬品なんです。
でも、この苛性ソーダって、劇・毒物に指定されているとても危険な薬品です。研究所なんかでは保管にも使用するにも特に注意を必要とする薬品なんです。
とくに石鹸作りには30%程度の濃度の苛性ソーダを使用することが一般的で、ほかの洗剤やカビ取り用洗剤に使われているものと比べると数十倍という高濃度になりとても危険なものなんです。
なにせ、苛性ソーダの『苛性』って、そのものズバリ! 『皮膚を侵す性質がある』って意味ですから、あやまって肌につこうものなら、大やけどのような症状になってしましいます。

石鹸作りには、どうしてもそんな苛性ソーダを使用するしかないのですが、中和反応という工程で苛性ソーダ自体は完全に除去されていることになっています。
なのですが、脂肪酸と苛性ソーダが反応すると融点が急激に上昇し固形化しますので、この固形化した石鹸自体が次の脂肪酸と苛性ソーダの反応を阻害する傾向があります。
つまり、完全に反応が行われているようでも、顕微鏡などのミクロの世界を見てみると苛性ソーダの部分と未反応の脂肪酸の部分が偏在していて、肌の敏感な人にはわずかに残った苛性ソーダの部分が肌に触れることで、強く悪影響がでることになります。

『となりの石けん』では、このような石鹸の欠点の解決に水酸化ナトリウムと水酸化カリウムの混合液を使用したダブルメルト製法という固形石鹸と液体石鹸の良い部分を両方取り入れた特殊な製法を採用することにより苛性ソーダの偏在をなくし、その偏在に起因する刺激性をなくすことに成功しています。

では、次回は合成界面活性剤についてのご説明です。

ここまでお読みいただきありがとうございました。